「定食」でご飯を食べすぎない方法

それでは、定食で白飯を減らしても満腹になれるような方法はないだろうか。

ここは、「一人コース料理」を提案したい。

一般的なコース料理は、最初に前菜やサラダ、スープを食べてから、メインという流れがお決まりだ。それも、一度に全品ではなく、時間をかけて次の料理が出てくる。実は、この順番には、お腹に満足感を与える仕組みが入っている。まずはサラダなどで繊維質を取り入れる。繊維質の多い野菜はよく噛んで食べなくてはならないし、血糖値の上昇を抑える効果が期待できるため、ダイエットに有効と言われている。さらに、次のスープでたっぷり水分を取ることによって一定の満腹感を得られる。

それからメインである肉や魚のたんぱく質メニューが出てくるわけだが、この順番でゆっくり食べているせいで、それほどボリュームがなくても十分満足できるように感じられるのだ。

この食べ方を定食に応用しよう。いきなりメインのおかずと白飯にまっしぐら、は食べすぎの元でしかない。野菜の小鉢があればそれから先に、とんかつやしょうが焼きなどのメニューなら付け合わせのキャベツから先にいただく。キャベツのお替わり自由ですよと言われれば喜んでお替わりをする。

アメを口に入れてからランチに出かける方法も

みそ汁は最初でも、野菜のあとでもどちらでもいいが、水分を取ってお腹をある程度満たす。そのあとに、いよいよおかずとご飯、というコースだ。それまでにかなりお腹の中は落ち着いているはずなので、ご飯をかき込むように食べることはなくなるのではないだろうか。

おなかがすきすぎてから店に入ると、どうしてもドカ食いをしてしまいがちだ。それを避けるために、職場のデスクの引き出しに小さなあめ玉を入れておいて、それを口に入れてからランチに出かけるだけでも違うので、お試しを。

店では小盛りを頼み、先に野菜をゆっくり噛んで食べ、汁ものを飲み、白米だけでなく五穀米が選べるならそれにして、なるべくゆったりと食事をする。濃い味付けのおかずだとご飯が進むので、店のセレクトも大事になるだろう。

また、おからや高野豆腐、がんもどきなどは低糖質食材と言われている。そう考えてみれば、古来の和食は価格面でも栄養面でも優れていたのだろう。そんな懐かしいおかずを出してくれるような定食屋を見つけ、そしてご飯少な目でとお願いして、しみじみと味わう。そんなランチが理想的なのだが、さて。

松崎 のり子(まつざき・のりこ)
消費経済ジャーナリスト
雑誌編集者として20年以上にわたり、『レタスクラブ』『レタスクラブお金の本』『ESSE』などのマネー記事を担当。現在は雑誌やWebを中心に生活者目線で執筆中。また、「節約愛好家 激★やす子」のペンネームでも節約アイデアを研究・紹介している。著書に『お金の常識が変わる 貯まる技術』(総合法令出版)、『「3足1000円」の靴下を買う人は一生お金が貯まらない 』『定年後でもちゃっかり増えるお金術』(講談社)。【消費経済リサーチルーム】
(写真=iStock.com)
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