ルミネ、ポルタ、そごうの並ぶ東口

「駅周辺の利便性の高さ」については、実際のまちの姿を見ながら探ってみることにしたい。

横浜駅は東西を貫く中央自由通路を中心に駅の東西にまちが展開している。JRのメイン改札である中央北・南改札がある中央自由通路は、1日に50万人が利用するといわれる。昼夜を問わず多くの利用者が行きかっており、横浜駅には欠かせない通路だ。

まずは中央自由通路から海側にあたる東口へ向かう。すると、駅ビル「ルミネ」があり、その先で下に降りる階段とエスカレーターがある。その先は地下街の「ポルタ」で、中央自由通路から続く広い通路の両サイドには100以上の専門店が面的に広がる。

横浜東口の顔「そごう横浜店」(撮影=鳴海行人)

そしてその先にあるのが「そごう横浜店」(横浜新都市ビル)と「スカイビル」だ。横浜新都市ビルの1階にはバスターミナルが設けられ、横浜市内を走る路線バス、羽田空港への空港アクセスバス、中長距離の高速バスが発着している。

「スカイビル」の地下2階から8階には「マルイシティ横浜」が入居し、「そごう」「ポルタ」と併せて東口の商業エリアを形成している。

さらに「そごう」からはみなとみらいへつながる橋と北のポートサイドエリアへつながる橋があり、ポートサイド側には三菱の倉庫跡地を再開発したショッピングセンター「横浜ベイクォーター」(約90店舗)がある。

大型商業施設と地下街だけで「商業エリア」が成り立っている

横浜駅西口の駅前広場と建設中の「JR横浜タワー」(撮影=鳴海行人)

いったん駅に戻り、今度は中央自由通路を西口へ向かう。東急東横線・みなとみらい線の地下改札へ向かう階段を両側に見た先のエリアが工事中になっており、そのまままっすぐ向かうルートと、上へ上がる階段がある。ここが現在JR東日本が開発している新しい駅ビル「(仮称)横浜西口開発ビル」(JR横浜タワー、JR横浜鶴屋町ビル)で、2020年に完成する予定だ。

そのまままっすぐ進むとこちらにも地下街がある。ここは相鉄グループが運営するショッピングセンター「ジョイナス」(約400店舗)の一部で、以前は「ダイヤモンド地下街」と称していた。こちらも中央通路から続く通路は広く作られており、地下街の真上に位置する西口バスターミナルのバス乗り場につながる階段もところどころにある。

横浜駅から南西に延びる「パルナード」商店街(撮影=鳴海行人)

今度は地下街を南へ向かい「ジョイナス」へ向かう。ビル自体は「ジョイナス」と「横浜高島屋」が同居する形で作られている。この地下街を含めた「ジョイナス」と「横浜高島屋」が西口の商業エリアの中心をなす。その周辺には元「横浜三越」の「ヨドバシカメラ横浜店」やファッションビルの「横浜モアーズ」、幸川の向こうにある「ビブレ」といった大型商業施設や横浜五番街・パルナードといった商店街があり、横浜西口の一大商業エリアを形作っている。

まちを歩いてみると、商店街が中心になる吉祥寺のようなまちと異なり、大型商業施設と地下街だけで駅至近に立体的な商業エリアが形成されており、また密集していることがわかる。さらに言えば、地下街が発達し、接続する商業施設も多いため広々とした歩行空間も確保されており、買い物や移動がしやすい。こうしたコンパクトで歩きやすいまちの構造はとても魅力的だ。住みたい街として人気になったことに、こうしたまちの構造は大きく作用している。