手術後の集中治療室などに監視カメラを設置する対策案
対策としては「異性患者とは2人きりにならない」などが挙げられるが、多忙な手術前後に完全に守ることは困難であり、カーテンなどの遮蔽物を用いずに大部屋で診察することは別の問題がありそうだ。
他に考えられる対策は、ビデオカメラの設置だろう。プライバシー保護との兼ね合いとしては、「手術後の集中治療室・回復室に限定した監視カメラを設置し、画像データは一定時間後に消去」するといった運用が落としどころになりそうだ。
個人の見解としては、患者の命を預かる医師が100日以上の拘束や、2年以上の裁判を経て、無罪判決が出たのもつかの間、控訴された外科医の心境は察するに有り余る。この一件を踏まえ、麻酔後の幻覚があるということについて、法曹関係者や一般人の理解が深まり、患者・医者の双方にとって不幸な事件が減るよう、本稿が参考になれば幸いである。
(写真=筒井冨美)