■NG声かけ5 「なんなのっ! その姿勢は!」

子供が机に向かって勉強している様子を見ていると、ひじを突いたり、背もたれにふんぞり返っていたりするのが気になり、ついつい、「姿勢よくしなさい」と声を荒らげたくなってしまう。

「腹が立ってしまうこともありますよね。でも、せっかく集中して取り組んでいるなら、多少姿勢がよくなくても、字が汚くてもいいのかなと思います。子供がすごく集中しているときは、机に前屈するようにしてやっているときもありますから、そういうときはなおさら邪魔しないほうがいいでしょうね」(安浪さん)

正しい姿勢で、きれいな字で、問題に集中して、スピーディーに解いてほしいとどんどん子供への注文が湧いて出てくるのが親心。だが、一度に多くの指示をされると子供も戸惑う。あれこれ注文するのは欲張りかもしれないと自覚しよう。ただし悪い姿勢の弊害もある。

「基本的に、姿勢が悪いと字が汚くなりミスが多くなります。同僚の教え子の話ですが、いつも壁に寄りかかって字を書いている子がいて、だんだん腰が痛いと言うようになったそうです。体にも問題が出てくるので、少しずつよくしていく工夫は必要ですね」(安浪さん)

背もたれがついていない姿勢矯正椅子や、姿勢を正すクッションなどを使っている家庭も多いそうだ。

■NG声かけ6 「1学年前に戻ろう!」

6年生のわが子がつまずいていることがわかると、1学年戻って5年生の勉強をさせようとする親はいるだろう。杉渕さんは、実は「1学年だけ戻る」というのがよくないと話す。

「戻るなら、最初の1年生に戻りましょう。6年生がダメで、もし5年生もダメなら、さらに1学年戻るということを繰り返すと子供はどんどん自信をなくします。思い切って1年生に戻り、できる体験を積み重ねて自信をつけていくのがいいですよ。急がば回れで、1年生から始めたほうが、学習には近道なのです」

自信をなくしている子にとっては、問題集に取り組むのはつらいものだ。低学年から計算を見直すなら、あるものを活用することを杉渕さんはすすめる。

「トランプです。たとえば、1から10まで使い、『2の段のかけ算』と決めます。そして9のカードが出たら、9×2で『18』と答えを言わせる。7を出したら7×2で『14』というのを繰り返すのです。たし算やひき算にも使えます。トランプを使えば、机に向かって勉強するよりもゲーム感覚で楽しく取り組めます」(杉渕さん)