“住みながら売却”は高値がつかない

以下、マンションの「売却」を前提に考えていきます。

まず、「住みながら売却活動をするか」「退去してから売却活動をするか」の2つの選択肢がありますが、これは後者が基本です。

生活感丸出しのところに内覧に来ることを想像してみてください。よほどセレブな暮らしでない限り、内覧者を幻滅させるだけです。高く売りたいならまず退去。ピカピカに改装し、人が住んでいた形跡を極力消してください。さらに「ホームステージング」を業者に依頼しましょう。キレイになった部屋に、家具や小物類を搬入して、モデルルーム風に演出。新築マンションなら当たり前の演出ですが、中古マンションでも、高く売りたいなら絶対に必要です。

大切なのは、改装前に「マンションがいくらで売れるのか」の目安、つまり相場を知ることです。「マンションナビ」「プライスマップ」など無料の不動産査定サイトを利用しましょう。マンション名などを検索するだけで売却価格の査定ができます。

相場を知ればおのずと、改装にかけられる予算も決まってきます。例えば3150万円で買ったマンションを売るといくらが相場になるのか。せいぜい3300万円だとわかったら、予算30万~50万円の「原状回復」程度にとどめないといけない。でも4000万円まで期待できるなら、水回りの交換を含めて200万円以上のコストをかける価値は、十分にあります。

(左)「ふすまに壁紙」の例●和室は1室あると便利だが、古くさいイメージをもたれがち。モダンに見せるために、ふすまに壁紙を張った。このほうが部屋も広く見える。
(右)「一面だけ色壁紙」の例●壁紙は基本は白。しかし購入者(賃貸希望者)に印象づけるため、一面だけを色柄物にすると効果的。


▼マンションの改装は3段階
●「原状回復」グレード 30万~50万円[賃貸用
●「リフォーム」グレード 200万~300万円売却用
●「リノベーション」グレード 800万~1000万円自宅用]
※費用は3LDK(60平米)を想定