医療費の負担を抑えるには、なにがポイントになるのか。「プレジデント」(2017年2月13日号)では11のテーマに応じて、専門家にアドバイスをもとめた。第10回は「歯科」について――。(第10回、全11回)
成人の8割が、罹患している歯周病
「歯周病は万病のもと」が、新常識になりつつある。歯周病とは、歯肉と歯の根の部分(歯根)の間にある歯周ポケットから細菌が侵入、歯を支えている骨を溶かしてしまう病気。初期段階では自覚症状がないため早期発見・早期治療が難しく、成人の8割が罹患しているとされる。
放置すれば最終的に歯を失い、食べる楽しみを奪われる。それだけではない。「歯周病菌が放出する毒素が血流に乗って広がり、体のあちこちで微小な、慢性の炎症を起こす」。そう警鐘を鳴らすのは歯科医師で米国抗加齢医学会認定医の森永宏喜氏。その炎症が重篤な病気の引き金になるという。
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