いつ、どんな企業に投資するのか「私の投資ルール6」

【ルール1:海外で活躍する日本企業に投資する】

主に日本株に投資しています。対象は海外で活躍している日本企業です。日本経済の先行きが明るいとは言えない中、海外に活路を見出す企業のほうが成長余地は大きいと考えます。私がそうした企業(日本株)に投資するということは海外の経済に投資しているのと同じで、これによりリスクを回避しているのです。

【ルール2:将来的な伸びしろのある企業に投資する】

これは株投資の基本です。現在はもちろん将来も経営が安定し、成長が期待できる企業の株を買います。日本は人口減少していますが、世界的には人口が増加しています。となると資源の需要は長期的には減らないでしょう。また自動車の需要も、国内では若者の所有欲が低く、またシェアエコノミーが進むと言われますが、一方、新興国を中心に世界的には増加するでしょう。世界規模での需要の高まりを意識した投資先を私は常に探しています。

【ルール3:経営が安定している企業に投資する】

こちらも基本中の基本です。経営が安定している企業でなければ投資などできません。経営コンサルタントの視点で見ると、同業他社よりも、長期にわたって高いパフォーマンスを発揮している会社は、経営が堅実で上手です。

※写真はイメージです(写真=iStock.com/Pom669)

「長期にわたって高いパフォーマンス」というのがキーワードなので、新興企業の株はめったに買いません。経営の安定性や経営者の能力が未知数だからです。これまで多くの会社や経営者を見てきましたが、一時は勢いが良くても長く続かない。そんな会社は少なくありません。そういうケースは、やはり経営者にどこか問題があるものです。

よって、投資先として一番いいのは、誰がトップに立って経営しても高いパフォーマンスを出すことができる技術力や社風、有能な人材がいる会社です。そして、社員が額に汗して働く会社です。

ちなみに投資信託も「新しい」ものは買いません。投信の商品として設定されてから3年未満のものは、過去のパフォーマンスが分からないから選びません。私の場合、投信を買うのは、自分自身では投資できない商品を買う場合です。たとえば、米国のREITや新興国債券への投資などは、個別の銘柄の情報分析をするのも大変ですから、専門のファンドマネージャーが厳選した投信を買うことにしています。

プロが実践している株を「買うタイミング」

【ルール4:安いときに株を買う】

これも当たり前ですが、株は株価が安いときに買うのがセオリーです。それを実践するためには、ちゃんと「経済」をウオッチしていないといけません。その習慣を積み重ねていると買い時がわかるようになります。

例えば、2008年のリーマンショックのような「大きな景気後退が来た時」や、景気が良い状況の中で「その勢いが少し衰えたり陰ったりする時」などは、株価は全体的に下落します。そういう時に私は普段から注目している会社の株を買います。

また、日経平均が大きく下げたり、長期的に停滞したりしているような場合も株を買うタイミングだと思います。出来高もチェックすると安くなるタイミングがわかるようになります。最近なら、1日間の売買代金が2兆円を切るような日が続く時は、市場に活気がない時期で、買うのに良いタイミングではないでしょうか。

個別の銘柄も、気になっている企業の株価を日々チェックして安いときに買います。私は、いわゆる優良銘柄を買うことが多く、それらは1株あたりの価格がやや高めです。それでも市場全体が大きく下げる、あるいは停滞している時には、そのような優良銘柄も全体の動きに準じて下がることが多いのです。そのタイミングを狙って買います。

優良企業の株価が下げた時に買う投資方法は「バリュー投資」と言われます。昨年、1兆円以上を運用する日本有数の投資会社であるスパークス・グループの阿部修平さんと共著で『株式投資の王道』(日経BP社)を出版しましたが、阿部さんの投資スタンスも基本的には私と同様でした。

なお、安いときに買う大前提として、買うお金を持っていることも大切です。私は金融資産の3分の1を円預金で持っています。それは日々の生活に「円」が必要だからということもありますが、安いときにすぐに買える資金をもっていることも大切だからです。