「YouTuberが憧れの職業」は本当だった

藤田社長は今年8月、「YouTuberになろう!」という中高生向けワークショップの講師を務めた。主催者は福島県双葉郡の復興を支援する「ふたばの教育復興応援団」。同団体のメンバーで作詞家の秋元康氏の呼びかけで始まった。

当日は、藤田社長のほか、HKT48の指原莉乃さん、フリーアナウンサーの古舘伊知郎さん、俳優・イラストレーターのリリー・フランキーさんの3人が講師を務めた。このため藤田社長は「(講師4人の中で)『顔ぶれ負け』していると思った」と話していたが、テーマが「ユーチューバー」ということもあってか、定員を超える応募があった。

会場で藤田社長が「サイバーエージェントを知っているか」と聞いた際、手を挙げた参加者はたった1人だった。「ユーチューバーが憧れの職業になっているという話は本当だったと実感しました」(藤田社長)。

当日の動画制作は、ユーチューバーをメインに若年層マーケティング支援事業などを行う子会社「CA Young Lab」の須田瞬海社長らが指導した。

クラスの話題は、「昨日の動画見た?」

CA Young Labの須田瞬海社長(撮影=砂流恵介)

CA Young Labの調査によると、2017年の国内YouTuber市場規模は219億円、2022年には2017年比の約2.6倍、579億円規模に達する見込みだ。また、登録者数1万人以上のチャンネル数は毎年150%以上で増加しており、ユーチューバーの数は今なお増えている。

人気ユーチューバーの共通点について、須田社長は「ファンとの距離感が身近なこと」と話す。

SNSで有名になるには、ファンの支持が欠かせない。そのためメッセージや動画を通じてファンと交流する人が多い。テレビに出演するタレントのように憧れる要素も持ちながら、身近な存在にも感じられる“距離感”こそが人気の理由だ。