「不倫をした直後に、発覚するケースが増えている」。行政書士・男女問題研究家として男女トラブルの相談を受けている露木幸彦氏はそう話します。露木氏によれば「いまは8月の相談が最多。5年前まで10月の相談が最多だったが、『即バレ』が増えたことで8月に前倒しされた」。「即バレ」の背景にあるのはSNSの普及です。8つの実例を紹介しましょう――。(前編、全2回)

なぜ、不倫バレの最多が10月→8月へ移ったのか?

突然ですが、質問です。1年のうち、「不倫の相談」が一番多いのはいつでしょうか?

※写真はイメージです(写真=iStock.com/OSTILL)

正解は8月です。しかし、5年前は10月でした。この5年間で何が変わったのか。私の仮説は、不倫相談の大半は「バレたときにやってくる」というものです。

8月は誘惑の多い季節です。そしてルール違反は得てしてバレてしまいます。私の経験では、これまでボロが出るのは2カ月ほど先でした。

「探偵に頼んでおいた証拠をようやく入手」「クレジットカードの明細に2人分の旅行代金」「久々の性交渉で避妊に失敗し妊娠が発覚」……。8月にルール違反があったとして、その「証拠」があがってくるのが、2カ月後の10月頃というわけです。

一方、この5年で生活スタイルは一変しました。いまや誰もが、スマートフォンを持ち、SNSを利用しているはずです。それは不倫も同じです。不倫相手とのやり取りは、SNSに保存されるようになり、それは動かぬ証拠となります。そんな「SNS不倫」について8つの相談実例を前編・後編でご紹介しましょう。

【“SNS不倫”1:フェイスブックで高校時代の同級生と不倫】

宮里愛里さん(仮名・32歳)は何の前触れもなく夫(35歳)から離婚を切り出されました。何も心当たりがなかった愛里さんは強いショックを受けましたが、「まだやり直せるはず」と思い、夫との旅行を計画したり、関係修復に努めたりしました。

ところが、夫は「やり直すつもりはない」の一点張り。愛里さんはその対応に不自然さを覚え、夫の身辺を当たりました。夫婦共用のパソコンで、夫がフェイスブックにログインした状態の画面を愛里さんはたまたま見かけ、そこで不倫相手とおぼしき女性を発見したのです。フェイスブックの「友達一覧」はサイト上で交流が多い順に並べる機能があり、その女性が夫のページの一番上に掲載されていたのです。

どうやら夫と彼女は高校時代の同級生。2人はスタンプ機能を使って「愛している」「早く一緒になりたいね」「同時にベッドに入ろうよ。眠りにつこうよ」などといった言葉を交わしていました。

夫は愛里さんに原因があるような言い方で離婚を突きつけていましたが、夫の不倫を知った愛里さんは、反対に夫を絞り上げました。愛里さんは夫に対して、不倫相手の女性をフェイスブック上の「友達」から外した上でブロックし、二度と画面に表示されないように設定にすることを命じました。

このようにフェイスブックをはじめとしたSNSは「旧交を温める」のに最適なツールとなっている半面、人によっては不倫、援助交際といった裏切り行為のツールとして駆使する人も少なくないことも知っておく必要があるでしょう。