テロ摘発を可能にした「インテリジェンス」とは
インテリジェンスという英語には、「情報」「極秘情報」「秘密諜報戦」などいろいろな訳語があてられている。だが、いずれもぴったりこない。だから原語のまま使われているのだろう。“機密情報”“知られざる諜報戦”といった狭い義に解されることが多い。しかしこの言葉には、より深くて広い意味が込められている。
河原に転がっている夥しい数の石を思い浮かべてみればいい。その多くはインフォメーション。つまり、ただの石ころにすぎない。だが、経験を積んだ、志のあるインテリジェンス・オフィサー(情報士官)がじっと眺めていると、そのいくつかは違った表情を見せ始める。それを選り抜き、磨いてみる。つまり、選択・分析して、真贋を見分ける。その果てに見えてきた構図を簡潔なインテリジェンス・リポートにまとめあげる。
外交ジャーナリスト・作家 手嶋龍一
1949年、北海道生まれ。慶応大学経済学部卒業。NHKワシントン特派員時代の著書『たそがれゆく日米同盟』『外交敗戦』が注目され、ハーバード大学国際問題研究所に招かれる。独ボン支局長、ワシントン支局長を経て2005年に独立。『ウルトラ・ダラー』がベストセラーに。近著に『ライオンと蜘蛛の巣』他。
1949年、北海道生まれ。慶応大学経済学部卒業。NHKワシントン特派員時代の著書『たそがれゆく日米同盟』『外交敗戦』が注目され、ハーバード大学国際問題研究所に招かれる。独ボン支局長、ワシントン支局長を経て2005年に独立。『ウルトラ・ダラー』がベストセラーに。近著に『ライオンと蜘蛛の巣』他。
だが、これでインテリジェンスが完結するのではない。その報告は、国家の舵取りを委ねられた者に託され、役立つものでなければならない。国家なら大統領や首相、大企業なら社長といったトップリーダーの最終決断に資するようなところにまで昇華されたものが、真のインテリジェンスなのである。巨大タンカーの舵を取る者の指針にならなければ意味がない。そのために、情報士官の知性によって磨き抜かれ、指導者に委ねられるもの、それがインテリジェンスだ。
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