年収400万円の人が賢い消費生活を送るためのコツ

もうひとつの理由は1995年1月に発生した阪神淡路大震災だ。当時、関西に住んでおり、周囲の住宅が全半壊したり、大切なモノが壊れたりした。食器など高価なものほど食器棚の上のほうにあり、破損したケースが多かった。そうした震災の影響を目の当たりにして、モノを所有する儚さというか、むなしさをまざまざと見せつけられたのだ。

しかしながら、いくらモノを持たない生活を心掛けるとはいっても、家族がいれば、いつの間にかモノは増えてしまうものだ。便利で面白そうなモノを見かけると、つい買ってしまうこともある。特にネット通販では、レビューに高評価が並んでいると、つい購入ボタンをクリックしてしまう、という消費者が多いようだ。

「年収400万円」の人が賢い消費生活を送るためにお勧めしたいのが、買い物の際に、「ニーズ(欲しいモノ)」と「ウォンツ(欲しいもの)」を区別することである。

これは図示してみるとわかりやすい。縦軸に「ニーズ」、横軸に「ウォンツ」の線を引き、ほしいものが4象限のどこに位置するかを書き出してほしい。

「買う」「買わない」を判断する際に考えるべきこと

例えば、ニーズとウォンツの度合いがいずれもが高いのであれば、基本的には「買い」となる。ただし、購入にかかる費用や購入後のランニングコスト、購入後の効果は把握しておく必要がある。とくに費用については、それが多少高額であっても長い目で見てコスト削減や時短につながるなどメリットが大きければ、「買い」ということになる。

一方、ネクタイやワイシャツなどは安いからとまとめ買いしても、すぐにダメになったり、気に入らなくて結局使わなかったりというのでは意味がない。「安物買いの銭失い」にならないことが肝心だ。

そして、「年収400万円の人」が注意すべきなのは、ニーズは低いけれども、ウォンツが高くなりがちなモノだ。例えば、洋服や靴、バッグ、趣味で収集しているグッズなどである。

ふだん、多くの家計相談を受けているが、この部分に該当するモノへの消費が多い家庭は、お金が貯まりづらい。まったくゼロにするのは難しいが、予算を決めてやりくりすることを心がけてほしい。