苦瓜式
セグメント別情報

事業ごと、地域ごとに数字を分解して予想に落とし込む

複数の事業を営んでいたり、さまざまな国や地域で事業を展開している企業は、会社全体の数字を見ていても実態をつかみにくい。そこで、確認したいのが事業別や地域別に数字を分類したセグメント情報だ。有価証券報告書や決算説明会用の資料などで確認できる。

図は、フェローテックホールディングスの決算資料から作成したセグメント別情報。同社は太陽電池や半導体設備向けの部品を製造しているが、セグメントは「装置関連」「電子デバイス」「太陽電池関連」「その他」の4つに分かれている。その中で「装置関連」の収益が占める割合が大きく、かつ伸びていることがわかる。業績に影響の大きいセグメントがわかったら、変動要因を探っていく。同社の場合、メーンは半導体向けを中心とする「装置関連」なので、半導体設備投資の動向を念頭に置きつつ、個別製品ごとの事業戦略や競争環境を加味して精密に予想する。「電子デバイス」は安定成長部門のため、短期予想には時間を割かず、中期的な成長要因の変化を中心に気をつける。「太陽電池関連」は赤字部門であり、安定成長部門とは逆に、赤字解消に向けた取り組みの成否が短期業績を大きく左右する。このように数字を分解して、業績に影響の大きいセグメントの変動要因を探り、今期、来期の予想に落とし込むこと、さらには中期的な成長イメージを描くことが重要だ。