幸せな人の身体の動きには特徴がある!
人がどの程度幸福か、客観的に測ることができると思いますか。答えは「イエス」。米カリフォルニア州立大学リバーサイド校でポジティブ心理学を研究するソニア・リュボミルスキ教授は、アンケートを用いてハピネス(幸福度)を定量化し、数字にしています。これによると、人の幸せに最も影響を与えているのは遺伝的性質で、全体の50%。一方、健康、お金、人間関係といった、一見幸福感を直接左右していそうな環境要因は、わずか10%でしかありません。
では、残りの40%は何かというと、それは日々の習慣や行動です。行動の結果うまくいったかどうかは関係ありません。積極的に行動を起こす、そのこと自体が幸福感を高めるのです。
行動を起こすかどうかは自分で制御できます。こういうと日本ではすぐに、やる気やモチベーションの議論になりますが、それらは行動の結果生まれるもので、行動の原因ではありません。むしろ、やる気やモチベーションに関係なく行動を始めることやそのための環境をつくるのが大事なのです。
例えば私は以前、仕事に締め切りを設定するのを嫌がっていました。しかし、行動を起こすことの重要性を認識するようになってからは、仕事には必ず締め切りを設定し、他の人に約束するようにしています。そうすれば嫌でも行動を起こさざるを得なくなるからです。締め切りは、幸福への大事なツールです。
挑戦するための心理的な原資が幸福感
また、幸福度の高い人はそうでない人に比べ、営業における生産性が平均で約37%高く、創造性は300%も高いという結果も出ています。ここでも重要なのは、「仕事ができてクリエーティブだと評価が高まったり収入が増えたりして幸せ感が高まる」のではなく、「幸せを感じている人ほど仕事のパフォーマンスが高く、創造的だ」ということです。
これに関しても定量的な研究が行われています。幸せを感じている人は、困難でも大事なことを行う傾向があることが確かめられています。大事な仕事ほど先が見えなかったり、工夫が必要だったりします。それに敢えて挑戦するための心理的な原資が幸福感なのです。