準備不足を批判するより、世界を動かす大号令を評価すべき

今の時代、戦争による解決はご法度だ。であれば話し合いによる解決しかない。その場合に、どれだけの政府高官であろうと、所詮組織の一員同士が会っても、解決しないものは解決しない。北朝鮮問題の最重要事項について組織の一員が合意などできるはずがない。まずはトップ同士が会うことが全ての始まりだ。

準備不足だと批判するのは、後付けの批判。準備なんかどれだけやっても100%完璧なものなどできるはずがない。今の段階で、非核化への具体的プロセスなんて合意できるわけないじゃないか。こんな解決困難な問題で具体的に合意をしようと思えば、官僚組織をフル稼働させなければならない。さらに米朝だけではなく、韓国中国ロシア、それに日本の政府だってそれぞれフルに動かなければならない。

まさに世界を動かす大号令が必要なわけで、それが今回の米朝首脳会談。大阪都構想を公約に掲げて大阪維新の会で初めて選挙に臨んだ時も、大阪都構想の具体的中身がないと散々批判を受けた。その都度、「今回の選挙で勝てば、大阪都構想に向けての大号令を大阪府庁や大阪市役所に発することができる。具体的な中身は役所組織がフル稼働で作る」と説明したけど、誰もその意味を理解してくれなかった。結局最初の選挙から5年という月日がかかって大阪都構想の具体的な制度案が完成した。

大変革を伴う政治案を作るには、まずは局面・事態を動かす大号令、大号砲が必要なんだ。

(略)

トランプのおっちゃんは、大統領に就任以来、北朝鮮相手に色々と仕掛けて事態を動かすことにチャレンジした。世界的に批判を受けたこともあるけど、それでも軍事的圧力を加え続け、二次的経済制裁を用いて中国企業にも圧力を加える素振りを見せ、そして貿易戦争を中国に仕掛ける。あの手この手を繰り広げて、中国やロシアの重い腰を上げさせて、北朝鮮に対する経済制裁を実効的なものにしていった。北朝鮮という国の指導者に、チビでデブのロケットマンと罵ったかと思えば、友達になれることを期待していると、甘い言葉を贈る。まあほんと、達者だよね。こうやって事態を動かしていく中で、金正恩委員長が韓国を通じて、米朝首脳会談の打診を行なってきた。

トランプのおっちゃんは、ここがチャンスと見たんだろうね。米朝首脳会談を即決した。こんなことは政治家にしかできないし、政治家と言ってもトランプのおっちゃんにしかできないことだろう。世界的に、そして特にインテリから人気のあるオバマ前大統領は、「戦略的忍耐」という小難しい言葉を使って北朝鮮外交の方針としていたけど、これって結局「何もしない」ということ。だから事態は何も動かなかった。

米朝首脳会談を決める、事態を動かすというところまでは完全に政治家、国のトップの役割で、トランプのおっちゃんは、見事それをやってのけた。

今回の米朝首脳会談には中身がない、具体性がないと批判している人たちは、事態を大きく動かすことにチャレンジしたことがない人たちだ。まあ評論家の類だね。そして巨大組織を動かしたこともないのだろう。