変化の乏しい銀行業を改革できるのは「外圧」のみ
業務のオートメーション化については、団塊の世代が大量に抜けることが後押しする側面もある。この大量退職と新卒採用の減少で全体的な社員数を調整しているにすぎず、リストラが起きているわけではない。
むしろ、かつて公的資金を注入されたりそな銀行の例ではないが、銀行業という変化の乏しい業態で、外圧が改革の契機になったともいえる。
今後は、他行とのATMのシステム共通化など、インフラ部分では業界全体で提携してコストを下げていくことも考えられる。競争するのは金融コンサルティングでの差別化、という時代がやってくるだろう。
(構成=衣谷 康 写真=iStock.com)