レゴ、雪印、ソニーはどこで間違えたか

強いブランドを確立することは、現代においてビジネスを優位に進めるための重要なファクターとなっています。ブランド力が強ければ、流通面など取引上も有利ですし、顧客から選ばれる可能性も高まります。強いブランドの活動は、わざわざ自分たちで情報を発信せずとも、自ずと注目が集まります。

「ブランド全能感」をうまく回避しているグーグル(共同創業者のラリー・ペイジ氏)。(時事通信フォト=写真)

その一方で、ブランド力が強いことにはデメリットもあります。こうした側面はこれまでほとんど論じられてきませんでした。「強いブランドは危険!」なのです。さまざまな企業を観察していて感じるのは、強いブランドが確立すると、その企業の経営者や従業員の間に、「何があっても自社ブランドの地位は絶対に揺らがない」という過剰な自信や慢心が生まれやすいということです。このような現象を、私は「ブランド全能感」と名付けました。

「全能感」という言葉は、精神分析学の創始者であるジークムント・フロイトの「幼児期全能感」に由来しています。幼児期の私たちは、実際には保護されている立場にもかかわらず、周りの人たちが何でも言うことを聞いてくれる完璧な存在だと思い込んでいます。こうした全能感は、成長するにつれて解消されるものですが、大人になっても姿を変えて表れることがあります。そのような状態を精神医学では「誇大観念」と呼びます。誇大観念を持っている人には、周囲に大きな態度で接したり、自己主張が激しかったり、周囲を気にせず自分のやることに没頭したりといった傾向が見られます。