子供との面会を拒否 元妻の「養育費」使い込み疑惑
【離婚するなら知っておくべきこと その5:子供との面会】
最後は子供との面会です。北関東エリアに住む飯田太陽さん(39歳)は困り顔でこう語るのです。
「相性の合わなかった嫁とようやく離婚できたのは良かったのですが、息子と会えなくなるとは……それが大きな誤算でした」
太陽さんのほうから離婚を切り出したこともあり、息子の親権を妻に譲るのも致し方なかったようです。しかし、離婚時には家庭裁判所で離婚調停を申し立て、調停では子供との面会の約束を書面(家庭裁判所が発行する調停調書)に残しました。だから当然、息子と面会できると考えていました。
元妻とも相談し、面会当日の待ち合わせ時間や食事の場所、送迎の担当なども決めていました。にもかかわらず元妻は前日に「他の用事ができたから行けなくなったの」と面会をキャンセルしてしまったのです。
結局、太陽さんは離婚から現在までの8カ月間、息子とは一回も会えていません。最近では元妻は「○○(息子の名前)が『パパに会いたくない』と言っているから」と言って、面会を断っています。
太陽さんは「もしかしたら(元妻が)僕の悪口を息子に吹き込んでいるかもしれない」と心配ですが、もはや妻と息子との会話を知ることもできません。一方で太陽さんは離婚から現在まで、毎月養育費を支払っていますが、先日、子供に会えないうっぷんから、「本当に息子のために使っているのか? お前の小遣いじゃないんだぞ」と言ってしまったのです。
▼「文句あるのなら息子には会わせないからね」
元妻は「自分が使い込むことはありえない」と身の潔白を強調するのですが、何度も太陽さんが確認すると「文句があるのなら、息子には会わせないからね」と言われたそうです。
「これじゃ、息子とは『生き別れた』の同然です。養育費だけ払わされるのでは納得できません」
厚労省の「全国母子世帯等調査結果報告」(2011年度)によると、父と子の「面会交流の実施状況」について、「現在も面会交流を行っている」「面会交流を行ったことがある」は合わせて全体の45.6%に対して、「面会交流を行ったことがない」は50.9%でした。つまり妻側に子供を引き取られた場合、夫側の半分以上は、離婚から現在まで子どもの顔を一度も見たことがないということです。
きちんと養育費を払っていたとしても、子供と面会できるとは限りません。いったん子供を連れ去られたら最後。夫側は不利な状況に追いやられることが多いのです。