現代は忙しく、世の中はどんどん複雑になり、心の潤いを失いがちな時代です。1日のなかで、心の針がマイナスのほうに振れる瞬間はたくさんあるでしょう。

電車内で見知らぬ人と肩がぶつかった。上司に嫌みを言われた。人から失礼な対応をされた。仕事が嫌だ。お金が足りない。毎日がつまらない。なに一つ、自分の思うとおりにいかない……。

嫌なことがあまりに多いと、日常生活でも不安や心配事で頭がいっぱいになってしまいとてもつらいと思います。ではそんなとき、具体的にどう対処すればいいのでしょうか?

「どうにかしよう」と思わないこと

不安や心配、不平不満といった心の動きは、自分の外側からもたらされることに対する反応です。外的環境は、自分ではコントロールすることができません。そんな人生の「どうにもならなさ」を、どうにかしようと思わないことが実は意外と重要です。自分の思いどおりにならないことに対して、どうにかしたいと思う心のとらわれを今すぐ手放しましょう。

塩沼亮潤『歩くだけで不調が消える 歩行禅のすすめ』(KADOKAWA)

そのためには、目の前の出来事に一喜一憂しないことが肝心。困った事態も、苦しい状況も「しょうがない」「気にしない」と、自然体でフラットに受け止めましょう。そう、心の針がマイナスに振れないようにするのです。そして、悩む時間を減らすことにフォーカスしてください。悩みは不安を増幅させます。

一番ダメなのは、怒りにまかせて誰かを責めたり、他人をねたんだりすること。これらは自分から不幸の海に飛び込むような危険行為。

不平不満にとらわれるのではなく、明るい要素や感謝すべきことに目を向ける努力をおこたらないことが、人生の幸せへの第1歩となります。