腎臓の糸球体を原発として発症する糸球体腎炎。それには5つのタイプがあるが、日本人に多いのはIgA腎症である。

糸球体は腎臓にある組織で、毛細血管が糸玉のようになっていることから糸球体といわれる。極めて小さな組織で一つの腎臓に約100万個あり、フィルターの働きで尿のもとである「原尿」をつくりだす。

IgA腎症はその糸球体に、免疫グロブリンというたんぱく質の一種であるIgAが沈着して炎症を起こす。その炎症部分が増加することで糸球体の毛細血管を圧迫し、腎機能が低下する。

風邪などの上気道感染を繰り返し、血尿やたんぱく尿が出て、なかなか回復しないときなどは、IgA腎症を疑うべきである。

もちろん、このほかにも「むくみ」「高血圧」「全身のだるさ」「微熱」などの症状がある。

しかし、ほとんどの人は、このような強い症状があって病気が発見されるのではない。無症状のときに、“チャンス尿”で見つかっている。健康診断やほかの病気で尿検査をした偶然の機会(チャンス)に発見されるのである。

1980年頃までは予後の良い病気といわれていたが、最近、日本やフランスの患者調査を行ったところ、20年経過すると、60%の人々は状態が横バイ。ところが、40%の人々は人工透析治療に移行していることがわかった。

つまり、進行する側面も併せ持っているのである。

だからこそ、定期的な健診で血尿やたんぱく尿が発見されたときは、軽度であろうと、しっかり精密検査を受けるのが大事である。

検査は最終的に腎臓に針を刺して組織を直接取り出す腎生検を行った時点で確定するとともに、予後が良好か否かも推察できる。

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