維新は「官邸寄り」から「野党結集」へ

1998年の第2次民主党結成以来、自公の対抗勢力の受け皿は「非共産・保守中道リベラル総結集」が中核だった。国民の期待感を醸成し、2009年の政権交代につなげたが、総選挙での民主党の獲得議席は09年の308から、12年は57、14年は73と低迷が続いた。

前原氏だけでなく、民進党保守派は「保守中道リベラル」の矛盾から抜け出さなければ、国民の期待感の再醸成は不可能と痛感したに違いない。矛盾とは、「非共産」を放棄する「リベラル」と、保守浮動層の支持を重視して「非共産」厳守を主張する「保守」が一つの党に同居することの不適合である。期待感の再醸成は「非共産・保守中道」による結集でなければ、と判断したのだ。

今回の動きは、小池氏に頼まれた細川護煕元首相(元日本新党代表)が今年6月、前原氏に会って保守2大政治勢力による政界再編を、と説いたのがスタートだったようだ(朝日新聞9月2日付朝刊「時時刻刻」参照)。3人は1990年代前半、日本新党に結集した旧同志である。

7月27日、蓮舫氏(前民進党代表)が辞意表明し、代表選実施となる。その前後、前原氏と細野豪志氏(元民主党幹事長)が国会近くの中華料理店で会食した。細野氏が民進党離党を表明する数日前だったが、前原氏は代表選出馬、細野氏は離党の意思を打ち明け、以後の対応を協議したのではないか。同じ京都大学出身の「同志」で、交流が深く、考え方も近い。2人は「小池新党」との連携を前提に野党再編構想を話し合い、前原氏は細野氏に将来の野党結集の先遣隊の役割を期待して離党を容認したと見られる。

細野氏は離党後、9月11日に小池氏と新党結成で合意した。16日に解散・総選挙実施が確定する。保守2大政治勢力の結集には、維新との連携の成否がもう一つのカギであったが、20日に竹中平蔵・元経済財政相が東京で会合を設営し、橋下徹・前大阪市長も同席して、小池氏と松井一郎・大阪府知事(維新共同代表)が会談した(朝日新聞10月1日付朝刊「乱気流」参照)。

維新と小池氏の関係は微妙だった。大都市改革プランや地方自治のあり方など、路線や政策の面では共通点が多かったが、特に松井氏と小池氏の距離は遠かった。個人的接触はなく、20日の会合が事実上の初顔合わせである。昨年の参院選に維新公認で当選して副代表に就任し、その後に離党して小池応援団にはせ参じた元みんなの党代表の渡辺喜美氏は、「維新と小池さんの橋渡し役を、と橋下さんと松井さんに話をしたが、両者の小池さんに対する距離感は全然違った。橋下さんは前向きだったが、府知事として首相官邸との関係を重視する松井さんは是々非々でという姿勢だった」と語っていたが、松井氏は解散・総選挙と小池新党結党の動きを見て「首相官邸寄り」から「野党結集」にかじを切り替えた。