先輩から「理不尽なマナー」を強要されたとき、どうすればいいか。社会学者の宮台真司さんは「『何の意味があるのか』などとマナーやルールの合理性を問う者は、思考レベルが低い」という。そして「そうした『劣化』した若者が増えている」と苦言を呈する。どういうことなのか――。

31歳より若い世代は絶望的に「劣化」した

宮台真司●1959年生まれ。首都大学東京 教授。東京大学文学部卒。東京大学大学院社会学研究科博士課程満期退学。社会学博士。著書に『終わりなき日常を生きろ』『日本の難点』『正義から享楽へ』など多数。

私は「1986年分水嶺説」を唱えている。今年31歳になる「86年生まれ」と、それ以下の「86年以降生まれ」には、実は大きな違いがある。

「86年以前世代」は、阪神・淡路大震災や地下鉄サリン事件、援助交際ブームなどを経験しており、「社会は5〜7年ごとにガラリと変わる」という感覚を持つ。