「動き」がある文章構成の方法

それでは、「動きがあるパターン」と「動きがないパターン」の2つの文章構成を比較してみましょう。

「動きがないパターン」(1)のときには、中項目で主観的な印象を含めていたものが、「動きがあるパターン」(2)の場合では伝える対象物のレイアウトに変わりました。小項目では、動きがないパターン(1)のときにはそのレイアウトだけを説明し、動きがあるパターン(2)では動きそのものを表現することになります。

この点を踏まえて上に挙げた写真について説明する場合は、パターン(1)と(2)のどちらを採用するべきでしょうか?

この場合は、男女が海を眺めて座っている様子を伝えたいために、動きの「ある」パターン(2)を使った英文構成のほうが好ましいでしょう。動きが「ある」パターン(2)では、パターン(1)で使う主観的な印象は含めないほうがよいです。その理由は、主観的な印象は対象自体を評価する目的で使われるため、動きが「ある」ケースに使ってしまうと、違和感のある文章になってしまうからです。

具体的にどのような文章になるか日本語だけで検証していきましょう。

大項目:この写真は、昼間の海岸近くの場所です
主観的印象:とても気持ちのいい風景です。
中項目:背景には海と大きな岩があります。そして手前にはカップルがいます
小項目:彼らは自転車を止めて、フェンスに座って海を眺めています

いかがでしょうか? 主観的な印象は対象を評価するために使われるものなので、写真に動きがある場合の説明とは相性がよくないのです。

では、動きの「ある」パターンで「大中小の法則」に落とし込んでみましょう。

このように文章を構成すると、抽象度が高いところから低いところへと流れていくため聞き手の頭に入りやすくなります。あとはシンプルに英語を入れ込んでいけば完成です。

▼大項目
The picture shows the place near by the ocean in the daytime.
(この写真は、昼間の海岸近くの場所を写したものです)

▼中項目
Ocean and huge rocks are in the back of the picture. There is a couple with backpacks.
(背景には海と大きな岩があります。そしてリュックサックを背負った男性と女性がいます)

▼小項目
They parked their bikes, sat on a fence and looked at the ocean.
(彼らは自転車を止めて、フェンスに座って海を眺めています)