「さっさと転校」も一つの選択肢

学校サイドがいじめを認識しても、加害者やその親が認めないようなとき、あるいは学校の動きがあまりに鈍いときは、事実関係をさらに強固に裏付ける証拠を集めることになります。お子さんにボイスレコーダーを持たせて実際のいじめの様子を録音させる(相手の名前がわかるようにする、録音を悟られないよう実況風は避けるなど、ちょっとした練習は必要です)、LINEなどSNSのスクリーンショットを保存しておく、などが代表的です。

最終的な落とし所は、クラスを替えてもらう、鍵のかかるロッカーで私物を管理するといった物理的ないじめ予防策と、教師の立ち会いのもとで加害者が被害者に謝る「謝罪の会」あたりでしょうか。高校では退学や停学などの処分もありえます。訴訟も一つの手段ですが、なかなか期待通りには進みません。子供の負担を考えると、集めた証拠で相手の責任だけを明確にし、さっさと転校してしまうことも一つの選択肢です。

ひどく殴られたり服を破られたりする、脅されてお金をとられるといった、大人であれば刑法で◯◯罪と名前がつく悪質ないじめを受けている場合は、初動の段階で形だけでも警察に相談しておきましょう。最近の警察は、悪質ないじめ事案には動いてくれますし、警察からの連絡で学校の対応が素早くなる可能性もあります。このレベルのいじめであれば、弁護士に相談するのもいいと思います。

「いつ、どこで、だれに、何を」まずは子供に聴取してリスト化
阿部泰尚
 

特定非営利活動法人ユース・ガーディアン代表理事、T.I.U.総合探偵社代表。5000件以上のいじめ相談、330件以上の困難事例解決を経験。著書に『いじめと探偵』など。