【小柳】槙野選手は自分が出場した試合のビデオを見る方なの?

【槙野】見ますね。次の対戦相手のビデオも見ますし、自分が出場した試合も。自分が出たバラエティー番組も、知り合った方の番組も見ます。情報は何でも入れるようにしています。

【小柳】いいことですよ。とても大事だと思うわ。

【槙野】僕は出場した試合やインタビューを受けたシーンも見るようにしています。みんなは「ナルシシスト」のように言いますが、見ることで同じ失敗をしたくないとか、どこの発言が映像に使われているのかも知っておきたい。明石家さんまさんも、よく言っていましたが、自分の映像を見ながら、酒を飲むって……。

小柳ルミ子さん×槙野智章選手。日本代表ユニのマネキンに囲まれて。

【小柳】私も絶対に見ます。仕事は、やりっぱなしではいけないと思うのよ。自分のミスしたところ、いけなかったところ、逆によかったところを自分に落とし込んで、次に生かさないといけない。そうしないと成長はないの。

【槙野】そうですよね。サッカーもフィードバックはすごく大切ですから。

【小柳】私の仕事もサッカーも最後は性格とか人間性だと思う。サッカーは雪でも雨でもやるわけでしょ。けがをしたら包帯をして、血だらけでもやる。あれを見て感動しない人は人間じゃないわ。私も本当に命がけで仕事をしているんだろうか、って思うのよ。

【槙野】そんなふうに感じてくださっていたんですね。

タレントはフォワード、周囲がいてのゴール

【小柳】芸能界の仕事って、サッカーと似ているような気がするの。ディフェンダーは自分の会社を守るマネジャー、ミッドフィルダーが現場スタッフ、監督、照明、音響、バンドなどで、フォワードが私たちタレント。そしてゴールが利益。タレントがゴールを決めてこそ、利益が生まれるんですよ。

【槙野】それぞれのポジションに役割がある。チームとしてまとまらないと機能しません。

【小柳】そう。DFがまずしっかり支えて、前の人たちが頑張ってくれって。中盤もスムーズにボールをつながないといけない。信頼感がなかったら、前にいけないし、何も生まれない。サッカーからは本当にいろいろなことを勉強させてもらいました。

【槙野】なるほど。すごく分かりやすいですね。僕も今まで以上にプレーに専念して夢を与えたいと思います。これからもいろいろと教えてください。

本稿は、サンケイスポーツ編『極-KIWAMI- 超一流の世界へようこそ!18組の対論』(東京書籍)第1章「サッカーはエンターテインメントだ! フィールドという劇場」の抜粋です。同書はサンスポの異色連載「極対談」の書籍化。アスリート、アーティスト、俳優など、18組36名の超一流人がジャンルと業種を超えて語り合っています。 対談「山本昌×武豊」「仲代達矢×高橋由伸」などのほか、書籍オリジナルとして、「小泉純一郎(元首相)×YOSHIKI(X JAPAN)」を収録しています。
(取材・構成=宇賀神隆 写真=加藤圭祐)
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