プレジデント誌のお金特集ではおなじみの「家計簿診断」。今をときめく敏腕FPが登場してきめ細かにアドバイスするという人気企画だが、今回は少々趣を変えてみた。覆面を条件に、辛口として定評がある3人が終結。言いたい放題、4つの家計簿をメッタ切り!

「家計の医者」ともいわれるファイナンシャルプランナー(以下、FP)。家計改善の方法をアドバイスしてくれる心強い存在だ。しかし、お金の使い方には個々の家族特有の事情が絡んでいるため、相談者に面と向かって言いにくいことが少なくないという。実はその「言いにくいこと」の中に「秘薬」があるのではないか。そこで今回は、3人の敏腕FPに集まってもらい、日頃クライアントの前では言えないことを大いに語ってもらった。用意したのは、問題を抱える4家族の家計簿。容赦なく切り込む彼らの、愛に溢れたダメ出しを、とくとご覧いただこう。

──(プレジデント編集部)本日は、忌憚のないご意見をお願いします。まずはAさんの家計簿です。夫と妻、長男の3人家族。小遣いが高い印象です。

【戸田】夫の趣味がフィギュア集めか。しょっぱなから厄介なケースがきちゃったな(笑)。この月収で月8万弱は、使いすぎでしょ。

【加藤】本当に。趣味代に関しては、コメントしづらいんですよね。

【戸田】「唯一の楽しみなんです」って言われたらそれまでだから……。

【加藤】ここを削れば相当楽になるのに、なぜ気づかないのか(笑)。

▼戸田倫太郎(仮名)
有名私立大学卒業後、大手メガバンクに就職。証券会社を経て8年前にFPとして独立。趣味に費やすコストまで徹底的に聞き取り調査し、無駄遣いの原因を探り当てるプロ。そのねちっこさは業界でも有名。41歳。
 
▼野田清子(仮名)
元保険外交員で保険のプロ。よくクライアントには保険料金の見直しを持ちかけるが、保険会社との癒着はしない主義。3人の子どもがいるママFPでもある。子育て出費に対しても現実的なアドバイスを送る。45歳。
 
▼加藤綾菜(仮名)
都内私立女子大卒業後、税理士事務所に勤務。自営業者のクライアントを多く持つ。会社経営の10歳年上の夫と2年前に離婚したバツイチFP。自身の経験を生かした、DINKSへのアドバイスに定評がある。38歳。