米大統領選の行方を見守るように比較的小動きだった上半期から一転、下半期に入って一気に世界情勢が動き出した2008年。9月にはリーマンブラザーズの破綻をきっかけにした米国の金融危機が世界に飛び火して、株安と景気後退の大波が世界を襲った。日本国内では福田康夫前首相が突然の辞意を表明し、国民の信任を得ぬまま、自民党総裁選を経て麻生太郎政権が発足した。
年初来のエネルギー高、原材料高で失速感を強めていた日本経済は、4~6月期と7~9月期の国内総生産(GDP)が2期連続のマイナスで景気後退が鮮明になった。金融危機の影響が大きい欧米向けの輸出が激減、自動車など景気を牽引してきた輸出関連企業の業績は軒並み悪化して、メーカー各社は減産やリストラを余儀なくされている。
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(小川 剛=構成 宇佐見利明、本田 匡=撮影)

