人前でも楽しく話せる自分をつくる5つの魔法
(1)言葉の魔法
「『あなたはどんな人ですか?』と聞かれたときの答えが、あなたのセルフイメージです。人はこのイメージに則って振る舞う傾向があります。例えば『私は本を読まない人間だ』と思っている人は、誰に止められているわけでもないのに本を読みません。あがり症の人は、『私はあがり症だ』などのマイナスなセルフイメージを、『私は人前で話すのが好きだ』のように、なりたい新しいセルフイメージに書き換える必要があるのです」
この新しいセルフイメージをつくるときに注意すべき言葉の使い方を押さえておこう。
「『赤いポストを思い浮かべないでください』と言われたらどうですか? 赤いポストを思い浮かべてしまいませんでしたか? 脳は、否定形であっても赤いポストと聞いた時点で、瞬時にそれを思い出してしまうのです。ですから、『私は人前で緊張しない』といった否定形のセルフイメージでは、緊張している状態を思い出し、好ましくないのです」
新しいセルフイメージをつくった後は、それを潜在意識にインストールする必要がある。
「インストールするには、潜在意識とつながるタイミングといわれる頭がボーッとしている朝晩に、セルフイメージを呪文のように唱えるとよいです」
(2)態度の魔法
「万歳のポーズで顔を天井に向け、思いっきり笑顔をつくってみてください。その状態で、最近あった悲しい出来事を思い出してください。いかがですか? 悲しい感情にアクセスできなかったのではないでしょうか。逆に、なんだか楽しい気持ちになってきませんか。なぜならこの姿勢や表情は、人間の『快』の気持ちとリンクしているので、楽しい気持ちが自然と湧いてくるのです」
人間は、姿勢や表情などの態度(非言語)に合わせて、感情も変化するのだ。あなたの新しいセルフイメージに合った人物の態度を研究して真似てみよう。
(3)イメージの魔法
「本番に対する印象をよくするには、人前で楽しく話している絵(図1)を描いて、喜びの感情とともに何度もそれを見ましょう」
人は五感を通して得た情報と感情を記憶として保管している。五感を刺激する絵を描くことは架空の記憶の材料となる。
「A4の紙を用意し、まず人前で楽しそうに話している自分の姿と笑顔で聴いてくれている聴衆の顔を描きましょう。そして、自分の周りには〈ヤッター、サイコー〉など、大成功したら得られる気持ちを、聴衆の周りには〈おもしろい〉など、言われて嬉しい言葉で埋め尽くします」