東大生「水泳で負けた相手を負かす負けん気を身につけた」
まずは、調査時の東大生のコメントを見てみよう。
「幼稚園の頃に始めました。決して速くはなかったのですが、週4ペースで練習していました。プールの塩素のせいで茶髪になってしまいました」(文Ⅰ・男性Aさん・富山県立富山中部高校出身)
「小学生時代、水泳を頑張っていて、市の水泳記録回では5位入賞を果たしました。通っていたスイミングスクールの大会で大会記録を出せたときもうれしかった」(文Ⅲ・男性Bさん・鹿児島県立鶴丸高校出身)
「水泳は苦手だったけれど好きでした。練習した結果、県大会で7番に入れた」(理Ⅰ・男性Cさん・群馬県立中央中等教育学校出身)
「小学校の同じクラスの子に教えるために、水泳を頑張っていました」(教養学部・女性Dさん・東京/桐朋女子高校出身)
彼らのコメントからは、必ずしも上手ではなかったけれど、泳ぐのが好きで懸命に打ち込んでいた様子がうかがえる。さらに、水泳を習い事にしたことで身に付いたことは何か聞くと、こんな答えが返ってきた。
「いい意味で周りに対する競争心を持てるようになった。できて当然だという思考に持っていくことで常に(勉強・受験などにも)高い意識で向き合うことができた」(理Ⅰ・女性Eさん・東京/豊島岡女子中学高校出身)
「集中力」(経済学部・男性Fさん・東京/筑波大学附属高校出身)
「忍耐強さ」(前出・Aさん)
「自分に足りないことを徹底的に練習すること」(前出・Bさん)
「忍耐力と自己分析力。(小学生時代に打ち込んだ)水泳とピアノはたいした成績を収めていませんが、練習は頑張りました。お風呂や食事のときに寝そうになるくらい頑張った。金メダリストの北島康介選手の泳ぎをビデオでよく分析していました」(理Ⅱ・男性Gさん・鹿児島県立鶴丸高校出身)
「悔しくなったときに自分から解決方法を考え、人の想像を上回るくらい努力をして、負けた相手を負かす負けん気」(前出・Cさん)
負けた相手を負かす負けん気……。水泳にはそんなメンタル強化の要素もあったのだ。自分の弱点を発見し、それを克服するための目標設定をする。そんな習慣がすでに定着した感がある。