ハイブリッドは「つなぎ」の技術?

電気自動車の前にまず「ディーゼルの時代」がやってくる<br><strong>自動車評論家 徳大寺有恒</strong>●1939年生まれ。水戸一高、成城大経済学部卒。代表作は『間違いだらけのクルマ選び』。現在、シリーズ最新作の出版を準備中。
電気自動車の前にまず「ディーゼルの時代」がやってくる
自動車評論家 徳大寺有恒
1939年生まれ。水戸一高、成城大経済学部卒。代表作は『間違いだらけのクルマ選び』。現在、シリーズ最新作の出版を準備中。

一時期の石油価格の高騰はここにきて一段落したが、環境保全は世界的な流れであり、エコカーのブームは当面続きそうだ。人気となっているのはプリウスなどのハイブリッド車だが、それが将来を見越したうえで最高のエコカーと言えるかというと、いささか検証が必要だろう。トヨタ自身、プリウスを発売した当時は「電気自動車までのつなぎの技術」などと言っていたものだ。

世界の大手メーカーもハイブリッド車の研究だけはしているが、市場には出てこない。ガソリンエンジンとモーターという2つのパワートレインを持っているのは非効率だと考えるからだ。

ではハイブリッドを買うのは少し待って、電気自動車の登場を待つかというと、こちらにも問題がある。

まず、あちこちで開発が進んでいるという話だけは聞くが、実際には車が販売されていない。東京都が電気自動車を各メーカーから借りているが、試作品を掻き集めている状態だ。もう一つのエコカーである燃料電池車も、まだ公道を走るところまではいっていない。

確かにバッテリーカーは静かだし、エミッション(廃棄物)が全くないという点で一つの理想ではある。ただ鉄道や航空機と違って、自動車のエンジンは道路状況に応じて刻々と出力を変化させなければならない。その点は電気モーターにとって難しい。