年収300万円でもやりくり上手はいる

それに比べて年収300万円クラスの家庭は、やりくりがとても上手です。感心するのは家計管理の基本をしっかり押さえていること。

たとえば、住まいは交通の便が多少悪くても、6万~7万円程度の賃貸に住む。そうしてお金を貯めながら、2、3割程度の頭金が用意できたところで中古の一軒家やマンションを買う。子育て・教育費については、幼少期に習い事をさせることよりも、子供が大学へ行くことを見越してコツコツ貯金。スマートフォン一つとっても、格安スマホを利用し、保険料や交際費も、使えるお金の範囲内でやりくりしています。

ただし、我慢しているわけではありません。必要最低限の支出で十分満足できるものを上手に組み合わせている。だからか、所得の多い人よりも「リッチな気分」で暮らしているように見えます。おまけに、どの家庭にも共通していえるのが、夫婦仲がいいこと。使えるお金が限られているから、夫婦間の話し合いが多くなるのでしょう。

では次ページから、年収が高くても貯蓄の少ない、残念な家計簿の実例を紹介し、どこに弱点があるか、検証することにしましょう。

▼「メタボ」家計簿3つの共通点

【1】使うべきお金の優先順位がつけられない
ある程度高い年収の方が、ムダな支出の多い「メタボ」家計になりやすい。住居費、教育費、通信費などのすべてにお金を使うことができるため、何が大切か優先順位がつけられなくなりがち。

【2】ボーナスを生活費に含めている
ボーナスで生活費を補填するという考えでは、お金を貯めることは難しい。お金が貯まっていく家計では、毎月の中でどのような支出を減らしていくかが徹底して考えられている。

【3】プチ贅沢なこだわりあり
お金が出ていきやすい家計は、贅沢品・割高品にこだわりがある、商品は高くないが買う量が多い、のいずれかのケースであることが多い。特にプチ贅沢なこだわりがある場合は要注意。