これはもう捨てては置けないと、今の状況に心を痛め、療養中の体に鞭打って声を上げる。日本に笑顔を取り戻すために。

最愛の人を失った身の上相談ほど悲しい気持ちになることはないし、そんなとき、その人を救える力なんて我々は持っていません。ましてや「頑張れ」とも言えない。何もかも失った状況で、何を頑張ればいいのでしょうか? 一人ひとりが「頑張ろう」という気持ちを持つのはいいことでも、絶望的な心情の人に「頑張れ」の言葉をかけるのは負担になるだけです。

私たちにできることは、「大変ですね。辛いでしょう?」と相手の辛さを思いやり、悲しさや苦しさの言葉に耳を傾けることです。気持ちだけでも寄り添うと、相手は少し楽になりますから。

(構成=鈴木 工 撮影=若杉憲司)