派遣社員や業務委託など非正規雇用労働者の契約非更新、いわゆる「雇い止め」が加速している。

原因は大企業の業績悪化に伴う人員整理。特に減産が行われる自動車メーカーは顕著で、トヨタ自動車を筆頭に、日産、いすゞなど多くのメーカーが数千人規模の人員削減を打ち出した。

都道府県別「雇い止め」人数ランキング

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請負社員ら約1100人を「雇い止め」することを決めた大分キヤノンでは、一部労働者が労働組合を結成、現場は紛糾している。ほかにもソニーやシャープなど、世界的な景気減速の直撃を受けたグローバル企業が非正規雇用労働者の整理を発表している。

厚生労働省の調査によると、2009年3月までに離職(予定)の非正規労働者は約3万人に上る。雇用情勢の急激な悪化を受け、08年12月9日、同省は「雇い止め」で職を失った労働者を対象に、住宅支援や生活資金の貸し出しを行うなどの施策を発表した。

もともと人材派遣が一般企業に急速に普及した背景には、1997年以降段階的に進んだ派遣業の規制緩和がある。金融やIT産業など専門性の高い分野、あるいは製造業への派遣が解禁された結果、国際競争力を高めるため、コスト削減に走った企業側は、正社員を、非正規社員で代替していったのだ。

現在、「雇い止め」が進行する一方で、09年新卒者の「内定取り消し」も横行している。人員調整は無論必要だが、そもそも長期的な視点で行われるべき人事が、好不況の波ごとに大きく左右されていることにこそ、この問題の本質があるのかもしれない。