空き家問題は第二世代へ

さらに牧野氏はこれからの空き家問題は今までとは違う形になると指摘する。今ですら十分大きな問題のように思えるが、これからの空き家問題に比べれば嵐の前の状況だと言うのだ。

「今の空き家問題は主に地方にある親の家を都市に住む子どもが相続。Uターンするわけにもいかず放置され、それが空き家になってというパターンです。これを空き家第一世代と考えると、1947~1949年に生まれた、いわゆる団塊世代が後期高齢者になり始める2023年以降にはそれに続く、空き家第二世代が登場すると読んでいます。人口の多い世代だけに、彼らの住まいが空き家になるとすると、その数は膨大です」。

そして、数以上に問題になるのはその立地だ。今の空き家問題の主舞台が地方だとすると、空き家第二世代は都市近郊に発生する。都心から1時間から1時間半ほどの住宅街である。首都圏で言えば千葉県、埼玉県、神奈川県などだろうか。都内でも立地の悪い場所には発生するだろう。

どこか遠く、地方で起きていると思っていた空き家問題が、都市に住む人たちの身近に迫ってくる日はそう遠くはないのである。