「議員でい続けることにこだわりはない」

――議員として意識していることはありますか?

議員報酬は安いほうがいい。議員の数は少なければいい。そんな考え方がありますが、それよりも費用対効果を考えるべきだと思っています。議員それぞれが様々な視点から自治体の予算が有効活用されているかをきちんとチェックして、無駄な予算をどれだけ削減したかという点が大事だと。報酬以上の働きをどれだけしたかで評価されないといけないと思います。

――そういう意識の議員は少ない?

「これおかしいでしょ」と思うことに対しても、「これをおかしいって言ったら票が減るかもしれん」って言って反対する人が多いのですが、「票のため」ということは「自分のため」なわけじゃないですか。

議員というのは町のためとか住民のためにあるのに、自分のために議員をしている人が多すぎると思う。「俺は、票のためじゃないで、先の、次世代の子どもたちのために、今批判されても、先になったら、あのときあの人はこう言いよったけえ、今があるんやって思えればいい」といつも言っています。自分自身は、議員であることにあまりこだわっていませんね。

▼「人の心の中に残る人になりたい」
――次世代の子どもたちのために町が進むべき方向性についてお考えをお聞かせください。

うちの町は消滅可能性都市に挙げられていて、2040年には町がなくなるって言われているんです。今は地方創生の名の下で、国が町に特別な予算を入れて、「これで地方創生してください」と言うんですが……。結局うちの町とかは、そういう補助金をもらってもワンサイクルで終わるんです。ワンサイクルで。そのお金を生きたお金としてずっと循環する仕組みを作れているかというとできていない。

1回、一部の人が潤って、はいおしまい。次の補助金まだですか? というのがうちの町の現状です。俺は町が消滅するという危機感をもって、それに備えることが必要だと思っていて、ワンサイクルで終わらないためにどうすればいいかをしっかり考えていかないといけない。会社でもそうですが、単独で経営ができなくなったら大手に吸収してもらうことも視野にいれるべきだと思っています。行政府としての自治体を残すことが目的ではないはずですから。

――最後に、個人としての今後の目標などあれば教えてください。

人の心に、思い出の中に残る人になりたいと思っています。会った人すべての心の中に残るために、時には人の盾になったり、支えになったりして、夢中に人生を生きていく、そんな生き方を貫いていきたいですね。何十年先でもいいんで「そういや、昔、おもしろい奴がおってね」っていうようなことをどこかで話してもらえたら、幸せです。

――今回のインタビューを通して若い世代に希望を持った方も多いと思います。引き続きご活躍を期待しています!

(橋本真助編・完)

(大杉和広=写真)
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