同年代でも800万円の格差

【流通】うちは年功序列賃金を完全に廃止し、降格もある制度に改め、賃金も下がる仕組みを入れている。それでも非管理職である組合員層は組合に守られているので賃下げによる不利益変更はそう簡単にできないが、管理職層は関係ない。今までのように給与が上がるだけで下がらない仕組みでは最悪、会社もつぶれてしまう。そうなれば社員も職を失うことになるし、そうならないためにはぬるま湯的仕組みではいけない。年輩社員で仕事をそつなくこなしていても、それより優秀な若い社員が頭角を現せば、年輩社員を降格させている。あくまで年齢に関係なくフェアに評価するわけだから落ちるのは仕方がない。若手もシニアもチャンスは同等であり、そのなかで自由に競争し、もしシニアが敗れたら降格もありうるし給料も下がりますよ、と言っている。

今、どの程度会社に期待され、どれだけ貢献しているかという時価主義で払うのは当然だ

今、どの程度会社に期待され、どれだけ貢献しているかという時価主義で払うのは当然だ

【サービス】うちも同じだ。それとやはり大事なのは優秀な若手を登用し、それに見合った報酬を支払うこと。そうはいっても若手にたくさん支払い、なおかつ年輩社員がそのままでは人件費が持ち出しになる。今はたいして仕事していなくても、昔は優秀で活躍してくれたからその延長線上で払いますというのはやめにしようということだよ。今、どの程度会社に期待され、どれだけ貢献しているかという時価主義で払うのは当然だと思う。

【流通】以前の社内資格制度は階段を1つ上ったら落ちることはないという仕組みだったが、そういう階段は廃止し、役割に応じて5つのグレードを設定し、毎年見直すことにした。昨年スタートし、今2年目に向けて社員のグレードを見直している最中だが、結構下がる人が出ている。その人たちは当然給与は下がるが、それにふさわしい役割ではないということだから仕方がない。逆に飛び級で2ランクも一挙に上がることも理論上はある。

【IT】うちもグレード制を敷いているが、アップダウンは激しいね。本社の部門長クラスは社員の最高位のグレードだが、そのなかでさらに3つの給与ランクに分けている。厳密な定義があるわけではないが、部門の格によって決まる。また、同じ部門長でも、たとえば病気になって仕事の遂行がむずかしいという場合、グレードが2段階下がる人も出てくる。

【化学】うちは降格、つまりグレードを下げるということは、よほど個人的な理由があって、仕事の遂行がむずかしい人でないとない。それでも上がらないまま給与がそのままという人はいる。実際にどの程度の給与格差がついているの?