Facebookのこれから
急成長を続けてきたFacebookだが、HRの責任者であるジャネルの立場から見た今後の課題を聞いてみた。
「企業が成長して大きくなってくると、サイロ化する傾向が見られます。Facebookで大切にしているのは、常にオープンな風が流れる環境です。会社が大きくなっても、社内外の環境において、密に人々をつなぐと同時にオープンな環境を作り、それをビジネスにも反映できるようにしていくことが、HRとしての今後のミッションだと思っています」
人が増えれば、それだけ情報やコミュニケーションの密度は薄まりがち。これまでオープンで自由ながらも、人と人との関係を密にしてきたFacebookにとって、その両方を保ち続けることは、世界中の人をネットのFacebook上で密につなぐというミッションと重なる課題でもある。その要、HR部門の幹部であるジャネルは、明確に次なる課題へと目を向けているようだ。
そんな多忙なジャネルだが、実は2児の母でもある。ここまで仕事との両立は楽ではなかったと話すが、今は次の段階に進んだようだ。
「子どもは9歳と13歳。自分のことは自分でできるようになっているので、だいぶ手は離れましたが、私は6時には退社して子供たちと夕飯を一緒に食べます。夜、子供が寝てからメールチェックなどの仕事をすることはありますが、なるべく子供との時間を大事にしています。子供にとっても世界を知ることは重要な経験だと思っているので、いろいろ話して聞かせていますよ。日本にもぜひ一度連れてこなきゃ!」
人をつなぎ、人が十二分に力を発揮できる環境を整えていくジャネル。分け隔てなくまっすぐな笑顔で相手の言葉に耳を傾ける姿は、これからもFacebookの成長を支えていくことだろう。(本文敬称略)
ジャネル・ゲイルさんのお気に入り
■感銘を受けた本 『The New Jim Crow: Mass Incarceration in the Age of Colorblindness』 Michelle Alexander著(New Pr)
■モチベーションをあげるもの 歩きながらのミーティング
……考えが煮詰まったら、マーク(CEOのマーク・ザッカーバーグ)とも歩きながら話します。新鮮な気分でいいアイデアが浮かんだりしますよ。
■癒すもの 気分転換にキャンパス(会社の敷地)内をサイクリングすること
……キャンパス内に自由に使える自転車があるし、みんな自分の自転車を持ち込んでます。
■お気に入りのおやつ ナッツやグミベア。チョコも好き
……どれも社内のカウンターに並んでいるけど、ついつい手が出ちゃうのよね(笑)
編集・ライター。大手出版社の雑誌記者を経てフリー。3カ国への留学経験と20カ国以上へのバックパッカー経験を持つ。ビジネスからライフスタイル、女性活用、教育まで幅広く取材を行う。
撮影=たかはしじゅんいち