“LEAN IN”で語られた、ダイバーシティを実行する
ジャネルは、社内のダイバーシティ担当でもある。Facebookでは、管理職向けのビデオを制作し、偏見をなくしていくためのプログラムを多々行ってきた。
「偏見は、誰もが何かに対して自然と持っているものです。人種、ジェンダーなどダイバーシティにはいろいろありますが、例えば、男性の方が仕事で優位にあるような思い込みもその一例です。実際にあったことですが、ある会議で女性が意見を言うたびにさえぎる男性がいました。本人は無意識だったのですが、そういった習慣も上司が指摘することで改善しました」
ダイバーシティの根本的な教えは、シェリル・サンドバーグの著書『LEAN IN』に詳しく記してある。自分からもっと前に乗り出して、行動によって変えていくことが必要だというのだ。社員はほぼ全員シェリルの著書を読んでいるが、ジャネル自身もいまだに自分の気付かない、男性優位の思い込みを指摘されることがあるという。
「会議などで、私がつい後ろの方に座ろうとすると、『ジャネル、前に座って。本に書いたじゃないの!』とシェリルに声をかけられます(笑)。無意識にそうしてしまうんですね」
そのためFacebookでは、意識変革のための取り組みも実践している。その1つが、地域ごとの支社で働く女性を集めて行われる、女性自身に誇りを持ってもらうための、年に1度のWomen's Leadership Day(ウィメンズ・リーダーシップ・デイ)というイベントだ。セミナーや講演などを織り交ぜ、女性たちにエールを送り、お互いを支え合えるよう、絆を深める試みである。南米では80人程度の参加だが、北米では1500人以上が集まる。遠方でも、ジャネルやシェリルが足を運び、直接対話しているという。男女だけでなくいろいろな偏見を取り払っていくためにも、これからも社内ではダイバーシティ推進の多様な取り組みをしていくという。