なぜ“理想の相手”、安定型と関係が結べないのか?

『Sex and the City』でいえば、キャリーが一時は婚約までしたエイダンという男性は安定型の傾向がみられます。実際に、エイダンとの交際があまりにスムーズで、ドキドキするドラマが起こらないために「何かがおかしいのではないか」とキャリーが感じるシーンもありました。安定型の人と交際していたら、たとえばどちらかが仕事で海外に行ってしまうというような状況のとき、きちんと「これからふたりの関係がどうなるか」という話を(催促されなくても)持ち出していたでしょう。

一方で、不安型の人は安定型の人になかなか心ひかれないという状況があります。安定型の人はあまりにも落ち着いてどっしりしていて、恋愛の駆け引きにも興味がないので、巷で言われている「男は追いかけたい生き物」とか「本当に好きなら○○してくれるはず」というようなステレオタイプにあてはまらない部分があります。また、不安型の人は、前述のような不安定な状態でドキドキするのが恋愛だと思っているので、特に若いときは、安定型の人を「退屈でつまらない」と思ってしまう人も多いようです。

もう一つの要素として、安定型は一度相手を見つけるとずっとそのまま付き合い続け、そのまま結婚する人も多いので、なかなか恋愛市場に戻ってこないという傾向があります。一方、回避型の人は交際期間が短く、恋愛市場に戻ってくるサイクルが短い傾向にあるので、同じくパートナーを探している不安型の人と回避型の人が出会う確率も高くなります。不安型の人にとっても、回避型の人といるときの心のゆれを恋だと思っているため、回避型と不安型のカップルが成立しやすいという状況があります。『異性の心を上手に透視する方法』でも、不安型と回避型のカップルがたどる道について詳しく解説されています。

次回の記事では、「不安型・回避型の人が良好な関係を築いていくために何ができるか」についてご説明します。

塚越悦子(つかごし・えつこ)
ファミリー・リレーションシップ専門コーチ。My Peaceful Family代表。
東京大学文学部卒業。モントレー国際大学院で行政学修士を取得後、国連に就職。2002年にアメリカ人の夫と結婚し渡米。アメリカでライフコーチの資格を取得し、国際結婚カップルの相談を受けてきた。現在は一家で日本に住み、最高のファミリーを作るための婚活サポートやリレーションシップ・コーチングなどを行っている。著書に『国際結婚一年生』(主婦の友社)、訳書に『異性の心を上手に透視する方法』(プレジデント社)がある。ウェブサイト(http://www.mypeacefulfamily.com)で恋愛・結婚・家族をテーマに情報発信をしている。『異性の心を上手に透視する方法』Facebookページ(https://www.facebook.com/iseinokokoro)。
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