長男からもらった思いがけない手紙

長男が言葉を話すようになると、行動範囲はさらに広がっていきました。

味噌づくりのワークショップに稲刈り体験……。「食に興味があるのでそういうところに行くと、価値観を共有できる人が多いんです。家族ぐるみで旅行に行くほど仲の良い友人もできました」。一方、長男は年のわりに落ち着いた性格。「久々に予定のない日があると『たまには家でゆっくりしよう』なんて言うんですよ」と直子さんは笑います。

「長男に寂しい思いをさせたくない」と、2人目もほしかったという直子さん夫婦。4つ違いで待望の長女が誕生します。

「産後の慌ただしいときに実姉に長男を預けていたんですが、まだ文字も書けないのに代筆を頼んで、手紙を書いてくれたんです。『ママ大丈夫? ぼくは大丈夫だよ』って。長男なりに心配してくれていたんだと号泣してしまいました」

兄としてかいがいしく妹を世話する長男。湯上がりに必ずガーゼを持ってきたり、オムツを補充したり、あやしたりと大活躍なのだそう。「だから夫には『娘より息子を優先してあげてね』って言うんです。いつも頑張ってばかりだから」。そのためいつもはクールな長男も、夫には甘えん坊の顔を見せるのだとか。

「夫からは『回遊魚みたいなものだから、じっとしてられないんだろ』と言われてます。今はまだ娘も小さいのでしばらくおあずけですが、また友人家族とみんなで旅行に行きたいですね」

今回は、気の置けないママ友や1人目の助力で2人目の壁を乗り越えたママのお話でした。そのほか本編では、3世代同居家族やキャリア志向ママの家族、未熟児かつ年子を育てた家族、高齢出産を乗り越えた家族など、さまざまな境遇を持つ家族を紹介しています。

※本連載は書籍『なぜ、あの家族は二人目の壁を乗り越えられたのか? ─ママ・パパ1045人に聞いた本当のコト』(一般財団法人 1more Baby 著)の一部を本連載に合わせて加筆修正したものです。

(一般財団法人 1more Baby応援団=文)
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