赤字隠しの手法は昔から変わらない

それにしても、粉飾決算問題というのは、全然なくならないものですね。

歴史に残る大きな粉飾決算事件と言えば、まずは『華麗なる一族』の阪神特殊製鋼のモデルとなった山陽特殊製鋼が思い浮かびます。

1965年、上場企業であった山陽特殊製鋼株式会社は、自主再建を断念し、事実上倒産となるのですが、それによって当時の経営陣が行っていた粉飾決算が明るみに出たのです。

『赤字はどこへ消えた?』(平林亮子著・プレジデント社)

架空売上や売上原価の圧縮により利益のかさ上げをしていました。

その後の歴史に残る大規模な粉飾決算事件といえば、カネボウでしょうか。架空売上、経費の先送り、棚卸資産の評価損の未処理、子会社の連結外しなどにより、2000億円を超える規模で粉飾が行われました。子会社の連結外しとは、赤字の子会社を連結の集計対象から外すことで連結損益計算書の利益をかさ上げするという方法です。

……粉飾の基本的な手法は、昔から変わらないのですね。

ライブドア事件もありましたね。投資事業組合という少し特殊な組織を利用した手法でした。が、基本は連結から外すことによる利益の創出。投資事業組合を連結すれば利益とはならない取引について、連結しないことで利益を創出したのです。

……足したり引いたり、忙しいですね。

オリンパスも大きな問題になりました。基本的には「飛ばし」と呼ばれる手法で、含み損を抱える資産(評価損をすべき資産)などを外部に売却するなどして損失を隠したのです。買い戻す約束をすることで、損をしない価格で売却するのです。さらに、不当に高い価格で企業を買収し、それを投資の失敗として処理することで、過去の損失の原因を隠ぺいしようとしたのです。

……結局、隠しきれずに発覚しましたが。

たいていの粉飾決算は、どこかで辻褄が合わなくなり露呈するもの。そして、大きなツケを払わなければならない可能性も生じます。

東芝は、2016年3月期、6900億円もの営業赤字になるとの予想をしていますが、これから公表される決算書にしっかりと目を通したいと思います。