「女性という生き物はわからない」──。ならば人間を一歩抜け出してみよう。霊長類の社会から人間を見てみると、「女も知らない女の性」が見えてくる。野生のゴリラと触れ合って研究を続ける霊長類学者と、脳科学者が徹底的に人間の女性について考えてみた。

必ずメスが選んでくれる

【京都大学総長 山極寿一】ニホンザルの群れにはボスがいますが、ゴリラには序列はなくて、リーダーがいるだけ。私はボスとリーダーは違うと思っています。ボスに君臨し続けるためには、常に自分の力を見せつけないといけない。リーダーというのは周囲の期待にこたえるべく振る舞えるかが問われる。ゴリラの群れで喧嘩が起こると、その際に第三者が割って入ることがあるのです。これは力関係の優劣がないからこそ可能なのですが、大人のオス同士の喧嘩ではメスや子どもが仲裁に入るし、子ども同士やメス同士の喧嘩には成長した大きなオスが間に入る。

【脳科学者 茂木健一郎】そこで活躍できればリーダーの力量を示せる。