あふれそうになるドヤ顔を抑える
「結構家事をこなしているつもりなのに、妻が満足しない」という悩みはよく耳にしますね。それはおそらく、家事や時間の感覚が夫婦でずれていて、奥さんのしんどさを旦那さんが共感できていないのではないでしょうか。僕も育児休業を取って、初めて主婦の苦労がわかりました。自分で掃除をしていると、それまで見過ごしていた汚れが気になるようになるし、子供とずっと向き合ってると、息抜きの時間がなくてイライラがどんどん募っていく。「専業主婦はヒマ」なんて大間違いで、朝、起きてから夜寝るまでノンストップで働いていますよ。そんな苦労を知らず、少し家事を手伝っただけで「どうだ? 本来俺はやらなくていいことをやってやったぞ」と言いたげなドヤ顔をしてしまうから、奥さんの反感を買うんじゃないですか。
家事をしたことを評価してほしいと考える時点で、トラブルの芽が生まれかけています。妻の評価という報酬を求めるのではなく、家庭がうまく回り、家族が笑顔になることを報酬と考えればいいんです。黙って家事をして、あふれそうになるドヤ顔を抑える。これが家庭円満の秘訣です。
NPO法人ファザーリング・ジャパン理事、通信会社社員 荒木正太
1982年、奈良県生まれ。大学生時代に「男性の育児休業」について研究。長男誕生後、妻が職場に復帰するタイミングで、育児休業を取得。NPO法人ファザーリング・ジャパンで管理職に理解を広げる「イクボスプロジェクト」を推進。3児の父。
1982年、奈良県生まれ。大学生時代に「男性の育児休業」について研究。長男誕生後、妻が職場に復帰するタイミングで、育児休業を取得。NPO法人ファザーリング・ジャパンで管理職に理解を広げる「イクボスプロジェクト」を推進。3児の父。
(向井 渉、水野浩志=撮影)