顧客を逃したくない心理を裏付ける理論

大所高所に立った言い回しはこれぐらいにしておいて、実地での顧客との応対に役立つ用語は何かないだろうか。

大口の顧客がいるとする。資金は潤沢だ。こちらの商品に大いに興味も示している。ただ、態度がなかなか煮え切らない。でも、目の前のこの獲物を逃したくない……という心理が生じた場合、特に住宅や車など高額商品の営業マンは、いつの間にか相手の術中にはまっている可能性がある。

その理由が、行動経済学の代表的な概念であるプロスペクト理論。人があるものを目の前にしたとき、それを得たときの効用の絶対値より、得ることができなくなったときのマイナス効用の絶対値のほうがずっと大きい、というものだ。