失敗でただ落ち込む人、成長のヒントをもらう人

3. 人はみな自分でかけた魔法の世界にいる

さて、私の専門の1つである、NLP(神経言語プログラミング)という心理学では、次のような大前提があります。

「人間は、あるがままの出来事・人・世界を捉えることができない」
「省略・歪曲・一般化という思考処理をした2次情報を見ている」

少し難しいので解説します。

まず、あるがままの出来事・人・世界を1次情報といいます。この1次情報は膨大にありすぎて脳は全てを受け取ることはできません。

たとえば、会社の同僚のAさんを考えてみましょう。

あなたは、Aさんとは10年の付き合いだから何でも知っている気になります。

しかし、彼の幼少期や親や子どもと接する姿までは知らないでしょう。きっと、昔もプライベートの時間も社内にいるときと同じ顔を持っているはずだと拡大解釈します。

ところが、親と仕事をしている時とではアイデンティティが異なるため、仕事ではとても穏やかでも子どもにはとても厳しい父親であるケースもあるのです。

このようにAさんという膨大な情報の一部しか捉えることはできませんし、あるがままの情報を捉えようとすると脳は混乱するので、一部の情報で判断できるようにしているわけです。

▼「思考処理」して前向きに

これが次の大前提に繋がります。

「省略・歪曲・一般化という思考処理をした2次情報を見ている」

・省略とは、全体の一部しか見ない
・歪曲とは、自分独自の考えで評価する
・一般化とは、単純化して決めつける

ネガティブなことを思考処理することで心も「くもり後晴れ」

私たちは1次情報(あるがままの情報)をそのまま受け取れないため、上記の3つの思考処理をするのです。全体の一部を見て、自分の考えで評価し、Aさんとは穏やかな人と単純化して解釈します。これが2次情報です。この省略・歪曲・一般化の結果として感情が湧いてくるのです。あたかもこれが現実のように解釈するのが脳の特性です。

もちろん、これは良い悪いの問題ではなく、人間の自然は思考パターンなのです。

よって、ネガティブな感情を回復させたいのであれば、思考の処理を変えればいいということなのです。