仕事の経験が乏しい新入社員が会議に出席する場合、通常求められているのは会議を円滑に進行させるための裏方的役割である。出席者の人数を数え、椅子が足りなかったら別の部屋から運び込んでおくとか資料を人数分コピーするといった仕事をするわけだ。
こうした会議での基本的マナーをマナーコンサルタントの西出ひろ子さんがアドバイスしてくれた。
「まず事前準備。会議の資料作成は若手の仕事ですが、業務内容や社内事情を知らない新入社員であれば任せられるケースはまずありません。作業の流れで先輩が人数分のコピーを取るところまでやってしまうことも考えられます。そんなとき、指示がないからといって何もしないという態度ではいけません。『何かお手伝いできることはありませんか』と自分から声をかけ、率先して動く姿勢を見せたいものです」
事前に資料を受け取った場合は目を通しておく。参加する以上、会議のテーマや目的を知っておくことは会社員として最低限の心得だ。また、会議中はメモを取って話を聞くのが基本。会議用のノートと筆記用具の準備も忘れずに。また、携帯電話の電源を切っておくことも大事なマナーだ。
「会議室には開始時間の15分前には入るようにしたいものです。人数分の椅子を運び入れるといった会議室の準備をはじめ、ホワイトボードを使うのであれば拭いておく、マジックが書けるかどうかをチェックし、かすれるようなら新しいものを準備する、パソコンのデータを大画面に映す場合はそのチェック等々、会議前にしておくべきことは山ほどあるからです。なお、やむをえない事情で会議に遅れるようであれば事前に会議の責任者にその旨を伝え、了承を得ておきます」
会議にも席次はある。出入り口からもっとも遠いところが上座。議長を中心に役職の高い順に座ることになる。新入社員はもちろん下座。出入り口に近いところに座るのがマナーだが、部屋の構造によってそれがわからない場合は着席する場所を先輩に聞くようにしたい。
若手は議事録を任されることが少なくない。発言を逐一正確に書きとめるのは難しいため会議の重要度に応じてICレコーダーに録音することも。充電は大丈夫か確認しておきたい。また、録音したとしても発言はノートに書きとめること。まず席の図を描き、どこに誰が座ったかを記入。会議が始まったら発言者の略称の後に発言を書いていく。佐藤なら(さ)、同じさで始まる人、たとえば桜井がいたら(さく)というように。