ボードゲームで経営を疑似体験する

(2)ゲーム系

ソフトバンクのゲームを使った研修風景。経営戦略や利益構造、会計の仕組みなど、企業経営について体験的に学ぶことができる。

ゲームの良さは、ルールが平等で、はじめてでも多くの人が参加できるというところです。

たとえば、ソフトバンクでは孫正義社長自身も加わって、経営幹部や社員と共に「マネジメントゲーム大会」を行っている、というのはよく知られた話です。ちなみに「マネジメントゲーム」とは、会社の社長になって経営を疑似体験するボードゲームの一種です。ゲームを通して、経営戦略や利益構造、会計の仕組みなど、企業経営について体験的に学ぶことができます。事業計画の立て方や、決算書の作り方を学ぶゲーム研修もあります。

「ゲーム系」研修の良さは、敷居の低さにあります。なかには、新たに部門・プロジェクトが始まる際、チームビルディングに用いることもあるようです。ゲームを通して、それぞれの人となりが理解できますし、一緒にゲームをプレーして仲良くなったうえで、懇親会などが催されることもあります。

(3)異業種コラボ系

研修といえば、同じ社内の同期や同職種の人が集まって行うもの、というのが一般的です。しかし、最近では大企業を中心に、事業部制、社内カンパニー制などの導入により部門や職種を超えたつながり、連携が希薄になってきていることを問題視し、他職種の人を集めた研修を行うケースが増えてきました。

こうした取り組みは、もちろん価値あるものですが、やはり組織に閉じているという限界があります。また、このところ、異業種の企業間コラボで商品開発を行い、新しい価値を生み出す、といったマーケティング手法が注目されていることもあり、研修も、組織の枠をも超えた形で行う「異業種コラボ」研修が増えてきています。

仕事のやり方も、価値観も、風土も全く違う組織から来たメンバーが交流し、協働作業をすることは、カルチャーショックも大きい分、固定観念から離れ、多様な視点を得られるといった効果も大きいようです。