では何が減っているのか。それは車、バイク、タバコ、酒、パチンコなどの「男性型商品」への支出です。

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若い男性ほど「酒」より「菓子」を好む

実は若い男性ほど「酒」より「菓子」に消費が移っています。総務省の「家計調査」によると、34歳以下の単身男性の支出額は2003年まで「酒類」が「菓子類」を上回っていました。ところが04年に支出額が逆転すると、その差は年々広がり、13年の支出額は「酒類」が1万4182円に対して、「菓子類」が2万8319円と差はほぼ倍です。

博報堂生活総合研究所の調査「生活定点2014」でも、20代の男性で「お酒を飲まない」と答えた割合は直近の14年で26.0%です。20代男性の4分の1がお酒をまったく飲まないということになります。98年では14.3%ですから、酒離れはかなり進んでいます。

飲み方にも変化があります。いまどきの若者にとって男女の割り勘は珍しくありません。マクロミルが11年の新成人を対象に行ったアンケートによると、「飲食費の支払いは、年齢や性別に関係なく『割り勘』がよい」という意見に対して、「そう思う」派は、女性が62.4%、男性が55.2%。また「デートの支払いは男性が多く出すものである」に対しても、全体の半数が「そう思わない」派でした。

若年男性はライフスタイルが変化した結果、「男性型商品」から離れているだけであって、決して消費自体が減っているわけではありません。その矛先として「女性型商品」への関心を高めているだけなのです。いわば男性向け市場の「進化」です。