年上の介護士妻と結婚1年で死別

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老人ホームの給与明細

逆に、「まったく身寄りがない」という40代半ばの男性は都内の老人ホームに派遣社員として勤務。フロアの男性10人、女性30人を男女2~5人でケアする。「人数は法律で決められた通りだけど、事務職の人が介護を兼任させられてる」。

夜中に認知症の老人が何度も鳴らすナースコールが。「わがままな人もいます。でも、最大で3000万円の入所金をいただいてるお客様だから、強くは出られません」。

現在の税込み年収は230万円だ。

「ハードワークですよ。でも、1円も昇給してないのがつらいし、賞与なんてまれ。あのアクリフーズの阿部さん(利樹容疑者、冷凍食品工場で製品に農薬を混入し逮捕)の気持ち、わからなくもないです。手当を削られるなんて、冗談じゃないよ」

大卒後、郵便配達を約10年。「配達先でも小包の営業活動をさせられ、時間とノルマに追われる毎日。自腹で小包を買ったりしていた」。

税込み500万円強の年収を捨て、36歳で思い切って退職。「これからの仕事だと思って」介護の道へ。同じ介護士で一回り年上のバツ2女性と結婚。しかし、不幸にして1年後、肝硬変で死別したという。

「結婚を反対した親類とは縁が切れました。私も連れも両親はすでに他界。向こうの兄弟とは連絡がつきません。一人っ子だし、今は天涯孤独の身です。きついです。付き合ってる女性もいないし、今の職場で見つけるのは難しそう。正規の職員を目指してますが……不安ですよ。ホームレスになるのが怖い。引き取ってくれるところがあればいいけど」