吉田 豪さん

【J】アイドルも同じです。加護亜依さんがね、いいこと言ったんですよ。

「クラスで気になる人がいるけれど、私を見向きもしてくれない。私のことを好きだという人もいるんだけど、それは私の嫌いな人。どうすればいいだろう」みたいな相談に乗る状況で、加護ちゃんは言ったんですよ、「人を好きになるとかいうのは、全部ただの思い込みだから」って。僕ね、感激しましてね。

【GO】当時、彼女いくつですか。

【J】まだ13~14ですよ。

【GO】へーっ! どうしてそんなに引いてしまうほどクールなんですか。

【J】アイドルの世界というのは、昨日まで自分のファンだった人が、今日は別の人を応援していることがよくある世界。人間は簡単に心変わりするという現実を、普通の会社員やOLよりもはるかに多く体験しているんです。部長が「君のことを応援しているからね、君にかけているよ」と言っていたのが、月が変わると別の部下に乗り換えているというようなことが。

【GO】急にビジネスのたとえ話になりましたね(笑)。

【J】いたいけな少女だって個人事業主。厳しい競争の世界に生きている。AKBもいいこと言っていますよ。たとえば高城亜樹さん。

【GO】読者に伝わりますか? 高城亜樹。JKT48。ジャカルタ送りにされた人ですね。

【J】「プレジデント」に高城亜樹という活字が載ったら、僕それだけでここに来た甲斐がある。この方がね、2、3年前のエイプリルフールに、史上に残る名言を吐いたんですよ。

【GO】残るかな。

【J】4月1日だから、メンバーがブログとかSNSでウソついて、それでウケている。そんななか高城亜樹さんはね、「今日はエイプリルフールだけど、私はウソはつきません。ウソをつくと心が痛むから。面白みがなくてごめんね」って言ったんです。いやあ、素晴らしいと思って。

【GO】ふむ。