8月の入場者数は過去最高の133万人。関連グッズやバタービールといった名物ドリンクなど、レストランやショップでの売り上げも順調で、売り上げもまた、過去最高を更新した。

快進撃は9月、10月も続いた。入場者数は135万人、146万人に及び、3カ月連続で過去最高を更新した。森岡氏は言う。

「投資の回収も、想定した水準よりいい形で進められる自信を深めました」

ハリー・ポッターエリア開業後のUSJに来る関西圏以外からの客には、外国人も多い。アジア圏だけでなく、ニュージーランド人、オーストラリア人も増えているという。ハリー・ポッターの世界をつくり上げたテーマパークはフロリダのオーランドにもあるが、日本のほうが近いのだ。

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データで見る大阪

『大阪経済大復活』(PHP研究所)の著者、増田悦佐氏は、海外からの来訪者が増えた背景と今後への期待をこう述べる。

「東京や大阪など日本の大都市圏は、安全で清潔。宗教的なタブーもほとんどない。このことを、アジア圏からの観光客はすでによく知っているんです。欧米人はまだそれほどでもないですが、彼らが今後、USJに来るついでに大阪や京都を観光して日本のよさに気付くようになれば、関西圏の経済にかなりのインパクトを与えるでしょう」

ハブ空港の強みを生かし、アジア人客を呼ぶ関空

USJのハリー・ポッター効果は、ホテル業、旅行業などにも及び始めた。夏には早くも大阪圏のホテル不足が指摘されるほどになり、帝国ホテルともパートナー契約を締結。さらにはJTBやJR西日本などとの連携も強化している。いずれも海外や国内からの集客を促進するためだ。

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国際線に占めるLCCの割合

また、関西国際空港では、USJのハリー・ポッターエリアがオープンする以前の13年度に、国際線の外国人旅客数で2年連続過去最多を記録した。円安と観光ビザ発給条件の緩和といった追い風を背景に、LCC(格安航空会社)を中心とした新規就航や増便によって躍進しているのだ。関空経由で大阪へ入るアジアからの客が、USJを目指したと考えられる。

一方で、関空の今年7月の国際線の外国人旅行客数は、約55万5000人に及び、前年同月比で27%の増加になった。7月は、USJのハリー・ポッターエリアの開業月だ。

関空の好調さがUSJの滑り出しを支え、逆にUSJ効果が関空に及ぶ。つまり、USJと関空の間に、業績に直結する相乗効果が生まれている。そして、両者の業績を大きく左右しているのは、外国人旅行者だ。